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※直近1年平均

耐震性能
耐震等級3
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耐震住宅とは?基準やメリット・デメリットを紹介

2025.01.29

ここ数年、日本では地震が起きる頻度も多く、比較的大きな揺れを観測している地域もあります。住宅の倒壊について、心配されている方も多いかもしれません。

新築で家を建てたい場合や、築年数の経った古い住宅なので耐震構造をリフォームしたいなど、いろいろなお悩みを持つ方がいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで地震の揺れに対して、力になってくれるのが、地震に耐えるための性能を兼ね備えた耐震住宅です。耐震住宅が持つ性能について、詳しく解説したいと思います。

耐震住宅とは

耐震住宅とは、大規模な地震が発生してしまったときでも、それに耐えうる性能を持っている住宅を指します。私たちが住む住宅には、どのような住宅に対しても、建築基準法により、耐震性能を持つことが義務付けられています。

また耐震性能が高いことにより、地震のみならず、台風などといったそのほかの自然災害に関しても被害を軽減することが期待できます。具体的に耐震住宅を建築する方法として、制震ダンパーを設置したり、耐力壁を設置するなどの工法があります。

制震ダンパーは、制震装置とも呼ばれています。地震などの大きな揺れに対して、エネルギーを吸収することで揺れ、衝撃を減らしてくれる装置です。自転車でいうところのサスペンションの役割に近いものがあります。そのため、住宅に制震ダンパーを取り入れることで地震の揺れが少なくて済むメリットがあります。

制震ダンパーの大きなメリットは、2階や3階といった上の階の揺れを軽減することができるため、家が倒れてくるリスクなどを減らしてくれることです。また、家を建てた後でも後から取り付けることも可能なため、耐震性能が気になり、後から家を補強したいという場合でも取り付けられて便利です。

制震ダンパーのデメリットとしては、住宅メーカーによって制度に差が大きいため、どこを選んだらいいか難しいところです。また、制震ダンパーのみを設置するだけでは充分とはいえず、元の耐震構造もしっかり施工できている前提で使う必要があります。

一般住宅との違い

では、一般住宅と耐震住宅の違いはどこにあるのでしょうか。耐震性能なんて必要ないと感じ、最低限の一般的な住宅を建てられればよいと思った場合でも、耐震についてまったく考えなくてよいわけではありません。

守るべき国の基準として耐震等級1を持つことが求められます。住宅メーカーはこの基準を守る必要があります。

1981年より後に建築された住宅では、この基準を守ることが義務付けられているため、今建っているほとんどの住宅は、最低限度の耐震基準を持つと考えてよいでしょう。

旧・新耐震基準の違い

建築基準法は、たびたび改正されることがあります。そのため、改正される前と後の基準として「旧耐震基準」「新耐震基準」に分けられて考えられます。それぞれの耐震基準について詳しく見ていきましょう。

旧耐震基準

1950年に定められた建築基準法ですが、とくに大きな改正があったのは、1971年、1981年、2000年です。

1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は「旧耐震」と呼ばれており、その年の6月以降に申請を受けていれば「新耐震」と呼ばれることになります。旧耐震基準では「震度5レベルの地震で大きな損傷を受けないこと」が基準とされていました。

新耐震基準

旧耐震基準では「震度5レベルの地震で大きな損傷を受けないこと」であるのに対し、新耐震基準の中では「中地震では軽微なひび割れのレベルの損傷にとどめ、震度6レベルの大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと」と定められています。

地震に対して、より強い建物を建てていこうという意識が強まってきたといえるでしょう。

こちらの記事では、住宅の断熱性能について解説しています。等級の違いや断熱性能を上げる方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

耐震等級とは

では、自分の住宅が耐震住宅かどうかは、どのような基準で判断していけばよいのでしょうか。耐震住宅の性能を表す指標に、耐震等級があります。この等級は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の中で定められているものであり、信頼できる指標となっています。

耐震等級は、地震の揺れに対してどれくらい住宅の強度があるかを示してくれる、誰が見てもわかりやすい指標です。耐震等級は1から3までの段階に分かれていますので、それぞれどのような特徴を持っているのか、詳しく理解していきましょう。

耐震等級1

耐震等級1というレベルは、建築基準法に書かれている最低限度の基準になります。

・数百年に一度起きる地震によって、家が倒壊しないこと(震度6〜7レベルを想定)
・数十年に一度起きる地震(震度5レベルを想定)において、住宅が損傷しないこと

と定められています。
耐震等級1では、住宅が倒壊までにはいたらなかったとしても、家の中に損傷が残ってしまう可能性、地震後に大きな改修工事が必要になってきてしまう可能性もあるなど、思わぬ被害が残ることもあります。

耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1に対して、その1.25倍の地震に耐えられる耐震性能を持っていることが求められます。各種減税などといった嬉しいメリットも大きい「長期優良住宅」ですが、その認定をもらうためには、こちらの耐震等級2を持っていることが必要不可欠です。

病院、学校などといった公共の施設は、この等級以上で建てられており、災害時の避難場所になることもあり、大勢の命を守れるような耐震等級とされています。

耐震等級3

耐震等級3は、耐震等級1に対して、1.5倍の地震が起きても耐えられる強度を持った建物であることが求められます。耐震等級の中でも最も高い等級であり、震度7レベルの大規模な震災が起きたとしても倒壊せずに住み続けられるレベルとなります。

震災のダメージを受けた後であっても安心して住み続けることができるため、この耐震等級を持っていれば安心できるといえるでしょう。たとえば警察や消防といった人命を守るための施設は、ほとんどがこちらの耐震等級3をクリアしています。

耐震住宅のメリット・デメリット

では耐震住宅を建てれば、よいことばかりなのでしょうか。ここでは耐震住宅のメリット・デメリットをご紹介いたします。

メリット

メリットの1つ目は、コスト面です。補助金等、金銭面で優遇を受けられます。耐震等級2レベル以上の住宅を建築するケースでは、国や自治体が定めている補助金の恩恵を受けることができます。

たとえば長期優良住宅を建築した場合、条件の中に耐震等級2以上であることが含まれますので、補助金をもらう対象になります。ほかにも固定資産税が減らされたり、住宅ローン減税を受けたり、不動産取得税や登録免許税を軽くできたりします。

また、地震保険に関しても割引になります。地震保険の割引率は耐震等級によって変わるのですが、耐震等級3の住宅を建築した場合、最大で50%割引されます。また、工法としても、免震住宅や制震住宅を建てるよりも、耐震住宅の方がコストの面では安く済みます。

メリットの2つ目は、地震以外の災害にも強い住宅を建築できるということです。耐震住宅にすることで、地震そのものの被害だけではなく、そのほかの自然災害も防げる可能性があります。

揺れに強い構造を持っているということは、たとえば台風のような強風がふいた場合の被害や、そのほかの自然災害に関しても、頑丈な構造なため、家族の命を守ってくれる可能性が高いということになります。

メリットの3つ目は、新築を建築する際の自由度が広がるということです。たとえば、免震住宅を建てたい場合、建てる場所の地盤に制限があります。耐震住宅を建てる際には、そういった制限はありません。ルールに縛られることなく、ご家族の意向に沿った自由度の高い新築を建てることができます。

デメリット

耐震住宅は、免震住宅や制震住宅に比べて、何度も繰り返される揺れに関しては弱いとされています。

また、耐震等級を持っている建物だとしても、何度も強い地震が来た場合に被害を受ける可能性があります。たとえば耐震等級1だと、一度の地震では倒壊しなくても二度三度と強い揺れが立て続けに起きた場合に建物が倒壊までしなくても、一部分が損傷するなどの危険性があります。

また、倒壊しなくても、建物の内部で変形や家具の転倒などが起き、怪我の危険性などはありますので注意が必要です。適切に家具を固定し、倒れてこないように日ごろから処置をしておくことが重要です。

また、耐震住宅とはいっても、制震構造とは違うため、地震の揺れ自体はじかに感じることになります。

耐震住宅がおすすめの人

では、耐震住宅は、どんな人にとってもおすすめなのでしょうか。とくにどのような方にとってメリットが大きいのかをご紹介いたします。

まず、台風などの自然災害が発生しやすい地域に住んでいる方です。前の章でもお話ししているとおり、耐震性能を持った構造であれば、地震以外にも台風などの風の被害も防いでくれることが期待できます。耐震住宅は、水平方向の揺れに強いという特徴も持っているため、そういった意味でも、安心できるといえるでしょう。

次におすすめなのが、地下室を作りたい、絶対にこんな動線にしたいなど、間取りにこだわりを持ち、自由度の高い設計で新築を建てたいという理想をお持ちの方です。

耐震住宅であれば、免震構造や制震構造に比べると、建築していくうえで、構造面での自由度は利きやすくなります。普段生活する場所ですので、間取り、動線といった構造面で納得のいく設計にすることは非常に大切です。そこに自由が利くメリットは大きいのではないでしょうか。

また、なるべく予算をかけずに耐震性能を持たせたい方にもおすすめです。免震構造、耐震構造で建築すると、おのずと費用も上がってしまいます。しかし耐震住宅であれば、比較的低コストで理想の新築が建築できるため、おすすめです。

暮るみでは、「屋根断熱」+「基礎断熱」を標準採用した家づくりをしています。世界基準の断熱性能を実現した設計を行っています。ぜひご覧ください。

まとめ

一般的な戸建て住宅では等級1であることが多いです。しかし暮るみでは、警察署や消防署の耐震性能と同等の最高レベルである等級3を、昔から保持しています。

健康を守る家として様々な取り組みをしていますが、大きな地震が来てもご家族の命を守れることが当然のことであるとし、耐震等級に対しても施工をしてきました。

木造住宅で多いのが、壁の中で結露が起こって内部から木が腐りやすくなってしまうという壁体内結露の問題です。住宅の骨組みである柱が腐ってしまうと、地震に弱い家となってしまいます。

暮るみでは、耐震等級3を当たり前のこととして施工するとともに、こういった壁体内結露などの問題に関しても努力を重ねています。

構造見学会では普段見ることができない中の様子を見ていただけますので、ぜひ一度、見学会にお越しください。

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